電子オーブンレンジ(読み)でんしおーぶんれんじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「電子オーブンレンジ」の意味・わかりやすい解説

電子オーブンレンジ
でんしおーぶんれんじ

マイクロ波を利用して食品を内部から加熱する電子レンジ機能と、食品を外部から電熱ヒーターで加熱する電気オーブン機能、さらに電熱ヒーターで発生させた蒸気で食品を加熱する蒸し器機能を備え、同一の加熱箱内で使用できるようにした複合調理器。台所の空間と電気エネルギーを有効に使うことを目的として、1977年(昭和52)に日本で初めてつくられた。この電子オーブンレンジは、内蔵したタイマーによって電子レンジと電気オーブン機能を連続または併用して使えるようにしたものである。たとえば電気オーブンだけで調理すると1時間かかったローストチキン1キログラムを、周囲から電気オーブンで25分間焼き、その後電子レンジで内部を5分間加熱するものや、逆に電子レンジで加熱したのち周囲に電気オーブンで補助的に焦げ目をつけるものもある。また、一台で電子レンジ、電気オーブン、蒸し器機能を備えたものはスチームオーブンレンジといわれ、オーブンレンジに電熱ヒーターで水を加熱し、蒸気を発生させ、その蒸気を加熱箱内に導き食品を加熱する機能を加えたものである。このスチームオーブンレンジも、それぞれ単独に使えるほか、連続または併用して使えるものがある。たとえば冷凍焼売(シューマイ)250グラムの解凍加熱は、電子レンジで5分間加熱後、5分間の蒸気加熱をして湿気を加えることもできる。

 操作面では、〔1〕電動式タイマーと温度調節器を設けて、予測した時間・温度をセットして使用するもの、〔2〕加熱時食品から出る蒸気・ガスに反応するセンサーや、食品の温度上昇に伴い、その表面から出る赤外線波長の変化に反応するセンサー、あるいは食品の周囲温度や内部温度の変化に反応する温度センサーなどとマイクロコンピュータを組み合わせて、食品の加熱を自動的に制御するもの、さらには〔3〕あらかじめ定めた分量の食品の加熱時間、温度をカードに貼(は)り合わせた磁気テープに記憶させ、そのカードとマイクロコンピュータとを組み合わせて、食品の加熱を制御するものなどがある。

[慶野長治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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